セグメント情報等の開示に関する会計基準とマネジメント・アプローチ
2010年度から適用される「セグメント情報等の開示に関する会計基準」はマネジメント・アプローチを採用している。マネジメント・アプローチによる開示には賛成。
マネジメント・アプローチとは、企業の最高経営意思決定機関(取締役会など)が意思決定する際に用いている区分での開示を求めるアプローチ。
従来のセグメント情報は財務会計上の開示と管理会計上の開示が異なっていても問題はなかった。通常、取締役会には開示されるよりも細かい組織区分で報告がなされ、業績評価がなされる。また、管理会計上の業績は必ずしも財務会計上の金額と合致するものではなく、積み上げても財務会計上の損益や資産負債に合致しない。
【マネジメント・アプローチの長所】
管理会計上のセグメント情報は業績管理の試行錯誤の中で生まれる、云わば会社ごとの管理技術の賜物である。そうした有用な情報を開示することは投資者にとって有用な情報となる。
【マネジメント・アプローチの短所】
事業遂行上の障害となりうる。
極端なケースだが、たとえば、顧客ごとの損益に基づいて管理会計上の業績評価をしていたとする。管理会計上、①トヨタ+10、②本田技研+20、③日産△20の3セグメントで業績評価をしていた場合、こうした顧客ごとの損益が開示されてしまう。当然、本田技研の調達担当者は価格ダウンを求めてくるし、同業他社にも知られてしまう。
【経理財務担当者としての本音】
現状の実務として、アナリストはこうした管理会計上の指標も聞いてくるし、IR担当者も答えている。一般に短信や有価証券報告書に載っている以上の情報を、実はアナリストには伝えている。従来からこうしたIRの在り方をとても疑問に思っていた。情報の開示の仕方が歪で、株主平等の観点からおかしいのではないかと(中には開示情報の質を均一に保っている会社もある)。
そうした観点から考えれば、聞いてくるアナリストだけに答えていた情報を文書に載せて開示するのは、より平等な開示なんじゃないかと。だからこそ、マネジメント・アプローチには賛成。


>>そうした観点から考えれば、聞いてくるアナリストだ>>けに答えていた情報を文書に載せて開示するのは、>>より平等な開示なんじゃないかと。だからこそ、マネ>>ジメント・アプローチには賛成。
實と申します。始めまして、全く同感です。
特定のアナリストにタイミング及び内容を特別に出すCFOも存在しています。
投資家は一分どころか一秒を争うこともありますので、情報の公平性は、厳密に規制されるべきですね!
Posted by: 實 和也 | August 30, 2009 at 00:52