東京マラソン2009を完走しました。
7時間という寛大な制限時間の東京マラソン。実際に走ってみて、完走率97%という数字が理解できました。当日の体調不良や大きな故障がなければ、多くの人は完走できます。
「トップアスリート」や「エリートランナー」と言われる方々のことを本当に尊敬します。ここでは普段運動不足のど素人が迎えた東京マラソン当日を書いてみます。
当日まで
私のマラソン歴と言えば、新宿シティハーフマラソンと河口湖マラソンの27キロコースくらい。今回が初フルマラソン。体重過多+お酒大好きです。
東京マラソンは3度応募したものの、落選が続き、2009も一度落選した後に、2008年12月末に追加当選しました。
忘年会も断らず、直前まで飲み会には出ていました。
とはいえ、12月以降、目黒川ランニングコースを中心に毎日早朝に練習するように心掛けてはいました。仕事前に10キロくらい。
5:00 起床
スタートが9時なので、逆算して4時間前に起床。前日は10時には就寝していました。
素人なりに直前までは白飯・うどん・パスタなどの炭水化物を中心としたカーボローディングを試みました。この試みが当日にどれだけ作用したかは不明ですが、スタミナ面は一切問題ありませんでした。むしろ、練習中に多発した膝の痛みが懸念材料でした。
8:00 新宿到着
スタート1時間前に新宿に入るよう、最寄りの駅を出発。
地下鉄にもランナーらしき人やボランティアのジャンパーを着た人がちらほら。山手線に乗り換えると、ランナーだらけ。新宿の地下通路は都庁前に向かうランナーでいっぱいです。早朝の新宿にあふれる妙な熱気でだんだん気分が盛り上がってきます。
完走後の着替えやタオルを詰め込んだ荷物をトラックに預け、スタート地点に集合します。コスプレランナーや外国人ランナーが多く、本当に参加してよかった、と高揚感をもって集合地点に向かいました。
集合地点は自己申告の完走時間に合わせて決まっています。私はワシントンホテルに近いかなりの後方。都庁前のスタート地点は見えません。ただ、TVで見たことのある取材班がいたり、周囲のおばさまランナーと話したりして、気分が高揚してきます。
9:10 '0:00 スタート
集合地点が後方過ぎて、スタート地点のことはさっぱりわからない。ただ、車いす組がスタートしたようで、周囲のランナーが拍手し始める。何となく周囲に合わせて拍手します。きっとラジオを聴いていたランナーがいたのかも。
周囲のマンションやホテルから応援の歓声。ランナーも呼応して「ありがとう!」と手を振って呼応します。
号砲から15分近く経ってスタート地点へ到達。スターターの石原都知事の笑顔に手を振って応えます。石原知事の政策には賛否両論ありますが、東京マラソンのイニシアチブには本当に感謝です。
スタート地点のボランティアが捨てられたとみられる雨合羽を持っていました。。午後から降雨が予想されていたため、ダメもとで、「合羽ください」と頼んだところ、初老のボランティアが笑顔で「あいよ。がんばってね!」雨具を腰に結びました。これが後から役立つことになります。
5キロ 9:53 '43:08 飯田橋
スタート早々、新宿大ガードで数人のランナーが立ちションしています。路面に流れる液体を避けながら(笑)、歌舞伎町に入ります。東京六大学応援団が演奏している。同じ六大学でも母校とは違うけれど、早大の応援歌が聞こえる。瀬古選手は現役時代、早大の校歌を口ずさんで走ったとか。気分よく応援団に手を振りながら走る。
市ヶ谷・飯田橋あたりでは、とにかくランナーが多い。母校のボアソナードタワーが見える。気分がいい。
東京マラソンでは5キロごとに計時チップでラップが測られる。私は腕時計で1キロごとにラップを測っていた。1キロ7分を想定していたのだけれど、スタート時前に15分かかったことを考えると、1キロ6分弱。ちょっと早いかなと思いつつ、下り坂ということもあり、どんどん抜いていく。
10キロ 10:24 '31:16 日比谷公園
竹橋では「ヤングマン」を流す一団。「さぁ、皆さんもご一緒に」という沿道の声に合わせて、見える限りのランナーが「Y・M・C・A!」ポーズ。これぞ東京マラソン。楽しい。
この辺の地理は詳しいので、自分が着実に前進していることを感じる。
外国人ランナーが皇居を見て興奮している。
日比谷のペニンシュラホテル前に撮影スポットがあったので、ポーズを決める。1キロ6分。ちょっと速いか?でも、練習以上に調子がいい。
10キロのランナーは日比谷公園のゴールへ。私はあと30キロ超。まだまだ。
15キロ 10:58 '34:27 品川
沿道の見ず知らずの人々とハイタッチを繰り返す。それこそ、抱きかかえられた幼児からお年寄りまで様々な人々とハイタッチ。お互いに笑顔。「がんばって!」「ありがとー!」
東京タワー・品川プリンス・御殿山ヒルズなど見慣れた風景が近づいてくる。すると、妙に尿意が。仮設トイレに飛び込み、排尿。やや時間ロス。
それでも想定通りのタイム。トイレロスを考えれば、この時点で相当なオーバーペースだったのだが、それでも楽しいので、ペースを崩さなかった。これが大きな過ちだった!
20キロ 11:35 '36:41 新橋
品川で折り返し、復路に。
スタミナも余裕がある。本当に参加してよかった。
東京都心を規制することを許してくださった(ご迷惑をおかけした?)皆様に感謝。様々な形でお世話してくださったボランティアの皆様に感謝。素晴らしい運営をしてくださった事務局の方々に感謝。走ることができる健康な身体に感謝。沿道から応援してくださった方々に感謝。
そんな思いで品川への往路を見てみる。往路にはフジテレビの平井アナや、その後事故のある松村邦洋さんが走っている。セレブランナーはスタッフに囲まれて(守られながら?)走っている。みんな一緒にがんばろう、という爽やかな気分で走り続ける。
平井アナにはいつの間にか抜かされるのだが...。
25キロ 12:20 '45:12 東日本橋
銀座・日本橋といった繁華街で膝に激痛が。
それでも笑顔で沿道とハイタッチを繰り返す。この間に平井アナには抜かされたようだが、気付かなかった。
著名人にはたくさん会ったのだけれど、あまり気付かなかった。著名人といえども、同じランナーだ。一緒に頑張ろう、という妙な意識で、あまりミーハーな行動はしなかった。
それよりコスプレランナーが気になる。ビキニ、ウルトラマン、チェロ、アフロ、色んなランナーがいる。
膝が超痛い! 時計を見て、必死に計算する。時速5キロで歩いても完走はできる。ここで1キロ7分にこだわると、完走すら危うい。急に雨も激しくなってくる。新宿で拾った合羽をかぶりここからペースを下げることにする。
30キロ 13:08 '48:02 両国橋
もはや急がない。早歩き。計算すると、完走はできる。膝が痛く、走れない。
給水・給食でお世話をしてくださるボランティアの方々がどこか変わった。妙に高齢の方が多いような。ボランティアは老若男女問わず、それぞれのやり方で応援してくださる。
風景はビルばかりでやや単調になる。とはいえ、雷門やアサヒビール本社にはちょっと興奮。浅草は昔付き合っていた人とのことがあり、よく知っている。沿道からは正規の給水・給食以外に様々な差し入れをしてくれる。下町のおじさんが「食べなさい」とチョコレートをすすめてくださる。ありがたい。この地域は人情が篤い。
膝が痛いのはフォームが悪いのだろうな、とか考えながら前進し続ける。前半のようなパワーはないが、着実に1キロずつ前進していく。
35キロ 13:56 '47:21 築地
周囲のランナーが固定されてくる。5キロ以上ずっと一緒に走って(歩いて?)いる。
ウルトラマン気ぐるみの人は沿道から「ウルトラマーン」と声をかけられ手を振り続けている(きっと疲労困憊のはず)。ビキニの女性はずっと歓声を浴び続けている。著名人ランナーの本田泰人・高岡由美子夫妻やレスラー集団は撮影され続けている。雨合羽の背中に「カオリンはかわいいよ。前から振り向いて見てね」と書いてあるカオリンとは抜きつ抜かれつで何度も振り返ったけれど、可愛かった(笑)。
ふたたび銀座・日本橋へ帰ってきた。膝もハムストリングスも痛い。走れないランナーがハイタッチをすると。走っているランナーに迷惑がかかるので、できるだけ走路の中央を走る。
40キロ 14:44 '48:44 東雲
スタミナはある。きっと下半身の痛みがなければ自由に走れるのだろう。
佃大橋以降、歩道がなくなるので、沿道の応援が途切れる。とても寂しい。とはいえ、ボランティアは励ましてくださる。
写真撮影スポットが多いので、そのたびにゼッケンを示しながらポーズを決めるが、下半身はボロボロ(笑)。
ゴール 15:06 '21:11 東京ビッグサイト
沿道の人たち、老若男女百人以上と走りながらハイタッチしました。
一緒に走ったランナーたちとはお互いに励ましあう同志になりました。
日々バラバラな東京の力が、健全で前向きな力になりました。
感謝!
走る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら走らな損々
私でも完走できた。
7時間の制限時間ならば、多くの人が完走できます。
完走できなくてもいい。日々の生活の中で圧倒的に応援されることって少ない。でも、東京マラソンを走れば、誰もが主人公で、東京中の人たちが味方となって応援してくれる。
知らない人たちと笑顔でハイタッチして、「がんばって!」「ありがとう!」を40キロ以上続けられる。
日々の悩みなんて瑣末なこと。健全に励ましあって走っていけばいいのだ。
感謝!